地域包括ケアシステムとは|在宅医療を理解するために

在宅医療業界

地域包括ケアシステムをわかりやすく解説!

今回は在宅医療の業界に転職を考えている方へ向けて、「地域包括ケアシステム」を解説します。

ものすごく簡単に説明すると、
地域包括ケアシステムは、高齢の方が住み慣れた地域で安心して生活を続けるための仕組みです。
このシステムの中心的な理念は、医療や介護、福祉、地域社会の支援が連携して、住民一人ひとりの健康と生活を支えることです。

ちなみに地域包括ケアシステムのはじまりは1980年代に現在の広島県尾道市(当時は御調町)の取り組みとされています。同市の公立病院が「寝たきりゼロ」を目標に掲げ、医療・行政が連携した実践的な施策を推進し、「地域包括ケアシステム」と呼んだのがはじまりです。

その後2014年、地域包括ケアシステムの考え方が具体化された政策として、
「医療介護総合確保推進法」が施行されました。

地域包括ケアシステムの目的

地域包括ケアシステムの目的は下記2点です。

・高齢化対応
日本は高齢化が進んでおり、多くの高齢者が在宅で生活しています。地域包括ケアシステムは、高齢者ができる限り自宅で生活を続けられるよう支援します。

・在宅医療の推進
医療と介護が一体となって、在宅での治療や看護を提供します。これにより、患者は病院ではなく自宅で安心して治療を受けられます。

日本の深刻な高齢化は従来の国主体の施策だけでは不十分であるため、地域の力を存分に活かす必要が生じてきます。介護施設の不足も今後深刻化するといわれています。介護・ケアの場を従来の施設ではなく自宅にシフトしていくなど、医療・介護サービスの枠組みを再構築する必要が迫られています。

地域包括ケアシステムの構成要素

・医療
在宅医療の医師や看護師が、定期的な訪問や緊急時の対応を行います。これにより、患者は病院に行かなくても自宅で必要な医療を受けられます。
・介護
訪問介護員やデイサービスが、日常生活の支援や介護サービスを提供します。これにより、家族の負担を軽減し、患者の生活の質を向上させます。
・福祉
地域の福祉サービスが、生活支援や社会参加の機会を提供します。これにより、患者が社会とのつながりを持ち続けることができます。
・地域コミュニティ
近隣住民やボランティアが、見守りや日常生活の手助けを行います。これにより、患者は地域の中で安心して生活できます。

在宅医療業界への転職に向けて

地域包括ケアシステムの概要を抑えたうえで、転職を考える際に必要となるスキルを紹介します。

・コミュニケーションスキル
コミュニケーションといっても様々なコミュニケーションスキルがありますが、在宅医療においては患者一人ひとりの状況を聞き、その問題に対して、適切に柔軟な対応が取れるスキルが求められます。

・チームワーク力
医療、介護、福祉の専門職が一体となって支援を行うため、チームワークが重要です。他職種との連携を積極的に図る姿勢が求められます。

・地域との関わりへの姿勢
地域包括ケアシステムでは、医療や介護職の方だけでなく、地域住民やボランティアとの連携も重要です。地域社会と積極的に関わる姿勢が求められます。

在宅医療に転職することで、患者やその家族の生活の質を向上させる大きな役割を果たすことができます。地域包括ケアシステムを理解したうえで、在宅医療業界にチャレンジしていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました