世界の在宅医療:オランダ編

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在宅医療に従事していると、海外事情も研修や職場内などで話題に挙がることもあります。
今回は海外の在宅医療の中でも、よく話題に挙がる国について紹介させていただきます。

オランダの在宅医療

海外の在宅医療で必ず話題に挙がる国といえばオランダでしょう。
オランダの在宅医療は非常に発達しており、高齢者や慢性疾患を持つ患者に対して質の高いケアが提供されています。

また、オランダの在宅医療システムは、政府、医療機関、保険会社が密接に連携して運営されています。医療サービスは主に地域の医療センターや訪問看護ステーションによって提供されます。
オランダの在宅医療は地域コミュニティと密接に連携しており、地域のボランティアや非営利団体がサポートを行うこともあります。これにより、患者とその家族が孤立することなく、地域全体でケアを支える仕組みが整っています。

オランダの在宅ケア:ビュートゾルフ(Buutzorg)について

オランダには特有の在宅ケアサービス組織である「ビュートゾルフ(Buutzorg、地域ケア)」が存在します。
このビュートゾルフは、患者中心のケアを提供するモデルとして国際的に評価されています。
看護師主導のチームが患者一人ひとりに合わせたケアを提供し、医療費の削減とケアの質の向上を両立しています。
このビュートゾルフは他国にとっても参考になるモデルとされており、「ティール組織」といって次世代型の組織として日本でもビジネス書で紹介されています。

ティール組織について

ビュートゾルフの組織構成は、最大 12 人の「地域ナース」による自律的なチームを基本単位としています。地域ナースは約 7 割が看護師であり、看護行為の一部が可能な看護助手が加わっています。

各チームに管理者も事務職もおらず、階層も存在しないというフラットな組織構成です。
各チームは、ナースの採用・教育、計画、財務、イノベーション、外部連携・調整業務といったす
べてのプロセスにおいて裁量を発揮する、セルフマネジメントチームとして機能します。各地域を担
当する独立チームを、小規模のバックオフィスが支えるという組織形態です。

管理者が存在しないという全く新しい組織形態が、フレキシブルな対応を可能にし、患者さんに密着したケアが効果をみせています。主には看護師が患者のアセスメント、医師との連携、ケア実践まで包括的に行い、そうした全人的なケアが患者の満足度につながっているとされています。

まとめ

日本と海外の医療制度は違えど、海外から学ぶことも沢山あります。
実際に海外視察に行く訪問診療の法人は多くあります。今回は必ずと言っていいほど名前が挙がるオランダのビュートゾルフについて、解説しました。在宅医療の門をたたく前に、こういった事前知識は非常に役に立つでしょう。
また今後も、他の国はどうなのか、このブログで記していきたいと思います


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