訪問リハビリとは
訪問リハビリテーションとは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者の自宅や施設を訪問し、リハビリテーションを提供することです。利用者が在宅にて自立した日常生活を送ることを目標に、心身機能の維持・回復に向けたリハビリをおこなうことが訪問リハビリです。
訪問リハビリの成り立ちは、
1982年(昭和 57年)に制定された老人保健法からはじまり、創設された老人保健事業において、市町村で提供される予防サービスからスタートしました。
訪問リハビリテーションの開設主体としては下記のようになっております。
・病院または診療所
・介護老人保健施設
・介護医療院
※訪問看護ステーションにもリハビリ職が所属し、リハビリを提供している事業所もあるかと思いますが、訪問看護ステーションは「訪問看護サービス」を提供する事業所であるため、
厳密には訪問看護サービスの一部としてリハビリを提供しているという形態となっています。そのため、訪問リハビリテーション事業所とは制度上の位置づけが異なります。
訪問リハビリ業界について
令和4年のデータですが、訪問リハビリの事業所数は全国で5,214件あり、
令和3年から令和4年にかけて、全国で約250事業所の増加がありました。
開設種別の割合としては下記の通りとなっております。
・病院または診療所:3,994事業所
・介護老人保健施設:1,200事業所
・介護医療院:9事業所
訪問リハビリの仕事内容
訪問リハビリの利用者さんがリハビリをはじめたきっかけとなる傷病は下記の通りです。
・脳卒中
・骨折
・廃用症候群
・関節症/骨粗しょう症
・高血圧
・認知症
・脊椎/脊髄障害
・パーキンソン病
・心不全
・肺炎
・リウマチ
などなど、上記の中でも脳卒中・骨折・廃用症候群の方が割合としては多いといわれています。
上記の利用者さんの方々に実際に訪問して実施する内容は下記の通りです。
・バイタルチェック、問診
・機能評価
・生活動作訓練(歩行、食事、排泄、着替え、座位保持など)
・摂食嚥下訓練(口腔ケア、口腔体操、食事内容のアドバイスなど)
・マッサージなどによる麻痺や褥瘡予防
・環境整備(利用者の状態に合った住宅改修アドバイスなど)
・福祉用具に関する選定(福祉用具の利用支援など)
・家族とのコミュニケーション(介助のアドバイスなど)
・その他
退院前カンファレンスやサービス担当者会議への出席、
リハビリテーション実施計画書の作成・報告作業、
医師やケアマネとの連絡など
まとめ
今回は訪問リハビリについてまとめてみました。
訪問診療・訪問看護と同様に、訪問リハビリも在宅医療の普及に伴いニーズが増していく傾向にあります。また、訪問リハビリは開設主体が限定されていて、ある意味安定力のある職場といえるでしょう。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の方はこれからのキャリアの一つとして、訪問リハビリも選択肢のひとつとして考えるとよいと思います。